宮城カルテ食堂に期待する

「国分町で孫や家族と一緒に食事を楽しみたいのだが、、、」という声を聞きます。家族の絆、友人との絆をつなぐ場を作るのに一緒に「食する」事は大事な要素です。糖尿病、腎臓病、高血圧等、何らかの病気を抱えた方々は「食する」ことに不安を持っていないでしょうか。世の中は健康志向で、食に関してもいろいろな注文が出されていますが、病気と闘っている方々は健康な人には気付くことができない不安を抱えています。これを解消する為に地域に貢献する東北公済病院としてなにかができるのではないか、というのが今回のプロジェクトに積極的に協力し始めた端緒です。特に国分町という東北有数の歓楽街で多くの種類のレストランがある街で自分の病気を心配することな


く家族と、友人と時を楽しむことができるのであればこんな素晴らしいことはありません。そして地元食材を使い食の安全を意識した質の高い地産地消のお店を市民に利用していただくことは健康維持に貢献するのみならず、街の活性化にもつながるもので、この地にお世話になっている東北公済病院としても大変うれしい企画です。正しい食事を快く楽しむことは病気の早期の回復にも健康の維持にも役立つ事は自明の理であると思います。是非この事業の成功と発展を祈念すると共に大震災からの復興にも微力ながら「食」との側面から貢献できれば望外の喜びです。

東北公済病院院長 岡村州博

2011年3月11日に発災した東日本大震災により、私たちは多くのものを失いました。2年数か月たった今でも、復興どころか、復旧さえままならない被災地の生活が現実にあります。
地域経済については、復興の足音が日増しに高まりを見せ始めておりますが、食品製造、加工業を中心に、事業を再開したとしても既に遮断、縮小された販路を回復させるには大変厳しい状況に置かれているのが現状です。
また、被災者の健康面におきましても、震災後、食生活の変化や、生活環境の変化で、体調が悪くなった方が多数おり、その中には、今、問題になっておりますメタボリックシンドロームで、おなかのまわりの内臓に脂肪が蓄積した「内臓脂肪型肥満」や「高血糖」「高血圧」「脂質異常」の生活習慣病の危険因子がある状態であるため、心疾患(心筋梗塞)や脳血管疾患といった命にかかわる深刻な病気になる危険性を抱えています。
私たちは、東日本大震災からの一日も早い復興と、一人でも多くの方々に健康な生活を取り戻していただくことを目的に「医食同源プロジェクト・宮城カルテ食堂」を発足いたしました。NPO法人キューオーエルが中心となり、東北公済病院との連携、仙台商工会議所・宮城県・仙台市・一般社団法人国分町街づくりプロジェクトの協力、日本フルハップのご支援により活動しております。具体的な取り組みとして①被災地の食材を取り入れた低カロリー、低塩分のレシピを考案し、飲食店や一般家庭への普及。②生活習慣病や食品に関する正しい知識、レシピ作り、カロリー計算の実習などの講習会を受講した者の中から、認定委員会を経て「宮城カルテ食堂」を認定する。


この2項目を事業の柱として、食を楽しみながら、健康を取り戻すことができるよう、宮城の豊かな食材を使った「心とからだにきくメニュー」の開発と啓蒙活動を通して、被災地の食産業の基盤の再生に貢献し、飲食店と被災地、医療が手を結び、「心とからだの健康」をテーマに街と人を活性化しようというものです。

おすすめレシピや、宮城カルテ食堂認定店をご活用いただき、一人でも多くの皆様が、食をとおして、生き生きとした毎日を過ごしていただけることが、私たちの願いです。

医食同源プロジェクト・宮城カルテ食堂代表 横山 英子

(NPO法人 キューオーエル理事長)

 

 

 

代表 横山英子
事務局 石井 尚美
管理栄養士・フードスタイリスト  鈴木 茜
協 力 国家公務員共済組合連合会東北公済病院、仙台商工会議所、宮城県、仙台市一般財団法人国分町街づくりプロジェクト
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